【就活Tips】ガクチカの書き方

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【就活Tips】ガクチカの書き方

writer:伊藤

 株式会社サムテックの伊藤です。会社では主にシステムの開発を行っていますが、採用のお仕事にも携わらせてもらっています。 今回は、新卒の学生さん向けにエントリーシートで書く学生時代がんばったこと(以下、ガクチカ)の作り方を解説していきます。具体的にサンプルを一緒に作りながら見ていきましょう。

まずは自己分析

 みなさんわかっているとは思いますが、いきなりガクチカを書き始めるのはNGです。まずは自己分析をして自分のことを言語化できるように準備していきます。  個人的なオススメですが、「自分年表」を作成すると分析が進みやすいです。まずは適当なExcelファイルを用意して、年齢列と出来事列を追加し表を作ります。

自己分析中のエクセル画像1

 この時、大学入学以降の出来事が厚めになるよう心がけます。というのも、実際の面接では大学生活のことを話すことが殆ど(高卒だったら高校の話)で、それ以前の話は学生時代の話を補強する程度にしか使われないからです。もし昔の話をメインにしてしまったら、面接官は大学では何もしていなかったの?と思ってしまうことでしょう。余程、インパクトの強い話ならまだしも、特段の事情がないなら、直近の話を使うようにしてください。なお、サンプルはデータが少なめなので、実際はもう少し出来事を増やすようにしてください。

 続いて、点数列を追加し、年齢ごとに自分なりの点数をつけていきましょう。出来事を参考に、ポジティブ・ネガティブの度合いを直観的に判断します。

自己分析中のエクセル画像2

 最後に、その点数になった理由を個別に考えていきます。理由を考えている最中に前につけた点数が違うなと感じた時は変えてしまって構いません。大事なのは点数に大きな変化があった所です。この箇所は念入りに判断した理由を考えるようにしてください。

自己分析中のエクセル画像3

 分析する際に点数と年齢で表にしたりすると自分の人生を俯瞰的に見えるようになります。ここで当初、感じていたものと異なっていたとしても問題ありません。むしろ、より客観的に自分を見つめ直せた証とも言えます。

自己分析から算出した年齢別の点数グラフ

以上の分析でサンプルから読み取れることとしては

  • 大学に入学するまでは順風で挫折がほぼなかったこと。

  • 部活で躓いたこと。

  • ゼミ活動を通じて反転できたこと。

などが読み取れます。このことから、ガクチカの内容としてはゼミ活動について書くのが良いと判断できます。変化量でみると部活での挫折が当てはまりますが、ネガティブな結果を全面に出すのはあまり良いアピールとは言えません。挫折について聞かれた時に話せるよう準備する必要はありますが、基本的にはポジティブな内容(今回だと、マイナスから反転するきっかけになったゼミ活動)を選ぶようにしましょう。

ガクチカの準備

 では、書く内容が決まったし、早速、書き始めよう!とはまだなりません。次に、書く内容について更に深堀りし、整理していきます。サンプルのゼミ活動の内容を整理していきましょう。サンプルは非常にシンプルにまとめていますが、実際に作る際はもうちょっと細かく分析してあげましょう。

ガクチカのサンプル

 ゼミ活動の内容をざっと見ていくと、ほとんどの時間と労力は週次のゼミに使っていることがわかります。1つの論文が40~50ページだと仮定して、専門用語が多くてわかりにくい英語論文を週に3つ読んで、意見をまとめるのは骨が折れますね。他大学との合同ゼミは絶好のアプトプットの場と言えそうです。安全保障に直接関わる防大や、英語で発表する必要のあるソウル大学の合同ゼミは、普段の努力をアピールする内容として使えそうですね。

 さて、ここまでをまとめると、「週次のゼミで努力→合同ゼミで結果」として書くのが良さそうです。

ガクチカを作る

 ようやく準備が終わったので書き始めることができます。大体のエントリーシートでは400字くらいの文字数制限があると思うので、最初は文字数制限をオーバーするようにガクチカを準備して、最後になくても伝わる項目を削除して文字数を調整します。サンプルの内容でまずは文字数を考慮せずにガクチカをまとめると以下のようになります。結果は575文字でした。

「学生時代頑張ったことはゼミ活動です。ゼミでは前もって教授が指定した40~50ページの英語論文を3本読み、意見を用意してディスカッションを行っていました。専門用語が多く精読や内容のまとめに時間がかかるので、苦労しました。そこで、毎日3時間、読む時間を確保して前々日までに読み終え、前日は意見をまとめられるように作業に取り組もうと決めました。目標を達成するために工夫したこととして、1点目はアルバイトなど予定の入りやすい夜ではなく、朝に時間を確保するようにしたことです。朝は集中しやすいことが多く、思わぬ副次効果もありました。2点目は精読中に考えたことや感じたことを逐一メモするようにしたことです。メモをすることで、前日まとめる時に見返したらすぐ思い出せるようにしました。これらの工夫によって、当初は読み終わらず、内容をまとめる時間もなかったゼミ活動の前準備を終わらせることができるようになりました。結果として、考えが整理された状態でゼミに臨むことができたので、週次のゼミではゼミ長としてグループディスカッションを回す責務を全うすることができました。また、着実に知識を身につけることができたので、安全保障を専門とする防衛大学校の学生と対等に合同ゼミを行えたり、教授からも信頼を得られ、ゼミとしては初めて海外の大学と合同ゼミを開催していただけたりしました。」

次に文字数を削って、400字にしていきます。まずは言い回しを短くしたりできないかで考え、それでも足りないようなら優先順位の低い項目を削除します。サンプルではちょうど400字にすることができました。ガクチカはこれにて完成です。

「学生時代頑張ったことはゼミ活動です。ゼミでは40ページ程の英語論文を3本読み、意見を用意してディスカッションを行っていました。専門用語が多く精読や内容のまとめに時間がかかるので、苦労しました。そこで、毎日3時間読む時間を確保して、前日は意見をまとめる時間にしようと決めました。目標達成の工夫として、1点目は予定の入りやすい夜ではなく、朝に時間を確保しました。2点目は前日、すぐ思い出せるように精読中に考えたことを逐一メモするようにしました。これらの工夫で準備を入念に行えるようになりました。結果、考えが整理された状態でゼミに臨むことができ、ゼミ長としてグループディスカッションを回す責務を全うできました。また、着実に知識を身につけられたので、安全保障を専門とする防衛大学校の学生と対等に合同ゼミを行えたり、教授からも信頼を得られ、ゼミとしては初めて海外の大学と合同ゼミを開催していただけたりしました。」

まとめ

 以上、ガクチカのサンプルを作成しました。ガクチカはあくまで制限された文字数で書ける範囲の要約に過ぎません。100点を目指す必要はありません。コンパクトに内容をまとめつつも、突っ込み所は残しておいて、面接時に聞いてもらいやすいようにしておくのがベストです。また、苦労したことや解決策は大層な内容じゃなくても問題ありません。サンプルの中でも、時間を確保する、メモを取るなど当たり前のことしか書いていません。社会人になってもできない人が多いくらいなので、面接官なら当たり前がすごく大事なことをよくわかっています。大事なのはそれらを経験からきちんと実感しているかを文字や言葉で上手に伝えることです。自分のやってきたことを卑下せず、どんなことでも自信を持って語るようにしてください。

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